LINE公式アカウントの「友だち」とは?
LINE公式アカウントを追加したユーザーのことを「友だち」と呼びます。
友だちに対してはLINE公式アカウントを通じてメッセージを配信したり、個別チャットで対応できたり、さまざまなマーケティング施策を実行できるのが特徴です。
加えて、友だちはLINE公式アカウントを追加していないユーザーに比べて、商品購入率や使用金額が高いというデータが出ています。
上のグラフは、「三ツ矢サイダー」の購入率と100人あたり金額を、友だち(ターゲットリーチ)とLINE公式アカウントを追加していないユーザー(非ターゲットリーチ)で比較したものです。どちらにおいても友だちの比率が大きく上回っています。
つまり、LINE公式アカウントを使って集客や売上アップを目標とする場合は、友だちをいかにして増やすかがとても重要な課題になります。
友だちにの情報を確認するには
LINE公式アカウントでは、友だちの数や下記のような情報を分析画面から確認できます。
- 友だちの追加数
- ターゲットリーチ
- ブロック数
- 性別、年齢、地域
- 友だちの追加経路
- 友だち追加広告の成果
これらの情報を確認しながら、LINE公式アカウントのマーケティング施策が上手く回っているかなどの分析を行うことができます。
LINE公式アカウントの分析画面については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
LINE公式アカウントで友だちが増えるメリット
LINE公式アカウントで友だちを増やすメリットは、集客や売上アップの土台になるだけではありません。友だちが増えることで次の4つのメリットが得られます。
口コミが広がりやすくなる
LINE公式アカウントの友だちになってくれたユーザーは、商品・サービス・ブランドに対して多からず興味を持っているユーザーです。
そのため、XなどのSNSで商品・サービス・ブランドに対する口コミを投稿してくれる可能性が高まります。
友だちがつながっている他のユーザーに対して、LINEトーク上で個別に口コミをしてくれることもあります。
口コミは最も強力なマーケティングツールなので、口コミが広がる環境を整えられるのは、集客や売上アップに大きく寄与するでしょう。
効果的な顧客分析ができる
成果の出るマーケティング施策を実行するには、顧客分析とそれを行うための顧客情報が欠かせません。
LINE公式アカウントで友だちが増えれば、それだけ多くの顧客情報を収集でき、効果的な顧客分析が行えるようになります。
<LINE公式アカウントで収集できる顧客情報>
- 友だちの属性情報
- メッセージ開封率
- あいさつメッセージ開封率
- クリック率
- コンバージョン率
- チャット利用率
- リッチメニュー表示数
- クーポン表示回数
マーケティング施策の費用対効果が高まる
LINE公式アカウントの友だちが増えると、マーケティング施策にさまざまな変化を加えられるようになります。
たとえば顧客分析を通じて複数のセグメント(ターゲットの集団)を作れば、セグメントごとに異なる施策を展開できます。これらにトレンド性を加えることで、費用対効果の高い試作展開も可能です。
マーケティング施策の一例
- 年末年始クーポンの配布
- 親世代を対象としたキャンペーン実施
リピート率が上がる
LINE公式アカウントを友だちに追加しているユーザーはリピート率が高いというデータがあります。
出典:LINE公式アカウントの「友だち」は本当にヘビーユーザーか?「三ツ矢サイダー」の購買リフト調査で明らかになった事実|LINE DATA SOLUTION
上のグラフはリピート購入率と100人あたり金額を、友だち(ターゲットリーチ)とLINE公式アカウントを追加していないユーザー(非ターゲットリーチ)で比較したものです。
リピート購入率は調査対象となった3つの期間全てにおいて、友だちの購入率がLINE公式アカウントを追加していないユーザーの購入率を上回っています。
LINE公式アカウントの友だちを増やす13の方法
それでは、LINE公式アカウントの友だちを増やす具体的な方法を13個解説します。自社の商品・サービス・ブランドと相性の良さそうな方法はどれか、イメージしながら読み進めてみてください。
1. 友だち限定販売を実施する
効果的な友だちの増やし方としてまずご紹介したいのが、「友だち限定販売」です。これは、LINE公式アカウントを友だち追加してくれたユーザー、またはLINEのID連携が完了しているユーザーに向けて限定販売を行う戦略となります。
友だち追加またはLINEのID連携が完了しているユーザーだけに商品を販売すれば、「私しか購入できない」「私だけがお得に買える」といった限定感を演出できます。
「大勢の人が持っているものと同じものを持ちたくない」という消費者心理を、「スノッブ効果」と呼びます。違う視点で見ると「自分だけの特別なものが欲しい」という心理を多くの消費者が持っており、限定感のある商品が魅力的に映るのはこのためです。「友だち限定販売」を実施し、ECサイトや店舗でアピールすればLINE公式アカウントの友だちを効率よく獲得できるでしょう。
ただし、ECサイト上で「友だち限定販売」の実施するには新たなプログラム開発やアプリ導入が必要です。ECサイトをShopfiy(ショピファイ)で運営している方の場合は、Shopfiyアプリとして導入可能な「RuffRuff 予約販売」がおすすめです。アプリをShopifyに追加するだけで「友だち限定販売」だけでなく、予約販売や期間限定セールといった機能まで簡単に実装できます。
「友だち限定販売」の具体的な実施方法は「ShopifyでLINE連携会員限定販売を実施する方法※」でご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください(※株式会社Tsunの公式サイトに移動します)。
2. 友だち追加広告を利用する
友だち追加広告とは、LINEのトークリストやLINE NEWSなどの上部に表示される、友だち追加を促す広告出稿機能です。
広告出稿コスト(最低入札単価50円)はかかりますが、即効性と確実性の高く、予算管理もしやすい方法です。
セレクトショップおよびECサイトの「Z-CRAFT」を運営する株式会社ロイヤルは友だち追加広告を利用したことで、LINE公式アカウントの友だち数が1年で10倍に増加しました。CPF(友だち獲得単価)は友だち1人当たり30〜40円と、低コストでの友だち獲得に成功しています。
出典:友だち数が1,000%アップ!LINE広告「友だち追加」で新たなユーザー層にアプローチするECサイトの取り組み|LINEヤフー for business
3. 無料のLINEスタンプを提供する
友だち登録で無料のLINEスタンプが使える、「LINEプロモーションスタンプ」を活用するのも効果的です。
自社キャラクターがいなくても、LINEスタンプクリエイターとタイアップして配信可能なので、素早く施策展開できます。
スキンケアブランド「パーフェクトワン」を展開する新日本製薬株式会社は、過去2回にわたってLINEプロモーションスタンプを活用したことで、約950万人の友だち獲得に成功しました。
出典:無料スタンプ配布で600万の友だち獲得!スキンケアブランドの集客術|LINEヤフー for business
4. 初回割引キャンペーンを実施する
友だち追加を条件として割引クーポンなどを発行する、初回割引キャンペーンの実施も検討してみましょう。友だちには目に見えたメリットがあるため、効率よく友だちを増やすことができます。
お好み焼き店の「ぼてぢゅう」を展開するBOTEJYU Group ホールディングス株式会社は、初回割引キャンペーンを含めたクーポン配布の実施により、49万人の友だちを獲得しています。
店頭でスタッフが友だち追加を促しやすいのも、この施策の利点です。
出典:友だち数49万人!ユーザーに来店を促すお好み焼店クーポン活用とは|BOTEJYU Group ホールディングス株式会社
5. Buy1, Get1キャンペーンを実施する
「Buy1, Get1キャンペーン」とは、商品を1つ購入したら次回から使用可能な無料クーポンを配布するという施策です。
全国の都市部を中心に展開しているディーカフェの「貢茶(Gong Cha)」では、LINEを利用したモバイルオーダーの開始に伴い、「Buy1, Get1キャンペーン」を実施しています。
ドリンクを1つ購入すると1ドリンク無料クーポンが配布され、友だちは次回購入時に使えます。
「Buy1, Get1キャンペーン」は友だち獲得だけでなく、リピーター獲得にも効果的です。
6. LINEショップカードを発行する
LINEショップカードとは、LINE上で発行できるオリジナルのショップカードです。紙のショップカードを発行するコストを抑えながら、マーケティング施策を展開できます。
東京と広島に5店舗ある「SUZU CAFE」を運営する株式会社コンプリートサークルは、LINEショップカードを活用した集客に力を入れています。友だち追加のきっかけにするのはもちろん、店舗のリピーター育成にも貢献しています。
また、個人だけでなくグループで利用できるポイント特典も用意することで、団体客の集客にも成功しています。
出典:友だちの約半数が利用! LINE公式アカウントの「ショップカード」でリピーター育成|LINEヤフー for Business
7. ECサイトに友だち追加ボタンを設置する
LINE公式アカウントの友だちを増やす方法に迷ったら、まずはECサイトのいたるところに友だち追加ボタンを設置してみましょう。
たとえば以下のサイトでは、アイキャッチ画像の上部、ページ中部、フッター部分にそれぞれLINE追加ボタンを設置しています。
シンプルですが効果的な友だち獲得方法なので、ユーザーに嫌がられない程度に友だち追加ボタンを設置してみてください。
8. ECサイトのポップアップ機能で登録を促す
ECサイトを訪問したユーザーに対してどこかのタイミングでポップアップを表示し、友だち追加を促すのも効果的です。
たとえばユーザーのECサイト内の動きに合わせて、購買意欲が高そうなユーザーに割引クーポン付きのポップアップを表示してみましょう。商品購入につながるだけでなく友だち獲得にも貢献し、LINEマーケティングにも貢献できます。
9. 店頭POPで友だち登録を促す
店頭POPで友だち追加を促すのはシンプルな施策ですが、効果があります。
複数のアパレルブランドや生活雑貨ブランドを展開する株式会社パルは、店頭起点の施策によりLINE公式アカウントの友だち数が3倍に増加しました。
店頭POPのQRコードを読み取り、権限を許可するとゲスト会員用の会員証がすぐに発行されるため、その場で登録作業をする必要なくさまざまな特典が受けられます。
ユーザーの友だち追加をいかに簡単にするかを考えるのも、友だち獲得に欠かせません。
出典:LINEミニアプリで店舗顧客を囲い込み!新規会員数とEC売上をアップさせたパルのLINE活用|LINEヤフー for Business
10. 店頭スタッフが登録を呼びかける
LINE公式アカウントの友だちを増やしたいのならば、店頭スタッフの登録呼びかけは必ず行いましょう。店頭に訪れるユーザーの中には、LINE公式アカウントの存在を認知していないことがよくあります。
「お得になるなら登録したい」というユーザーは多いので、店頭スタッフの呼びかけを実施するだけで効果的な施策になります。
11. SNSで登録を呼びかける
InstagramやXといったSNSで一定のフォロワー数があるなら、SNS上で友だち追加を呼びかけるのも効果的です。
「友だち追加お願いします」と単純に呼びかけるのではなく、日々の投稿やユーザーにとって有益なコンテンツの中に溶け込ませるとより効果を発揮します。
地図柄デザインの生活雑貨を手がける「マップデザインギャラリー」のXアカウントでは、以下のように友だち追加を呼びかける投稿を行っています。
LINEの友だち追加を行ってクイズに答えると、都道府県をモチーフにしたカラーピンが抽選で当たるというキャンペーンの告知投稿です。投稿は7万7,000インプレッションに達し、さらに500回以上リポストされています。
12. 名刺に登録用QRコードを印刷する
名刺(紙のショプカード)に友だち追加用のQRコードを印刷していくのも良いでしょう。ショップカードを手にしたユーザーの目に必ず入るので、友だち獲得率のアップに貢献してくれます。
13. LINE公式アカウントのコンサルを依頼する
以下のような悩みを抱えている場合は、LINE公式アカウントのコンサルを依頼してみましょう。
- 自社の商品・サービス・ブランドに効果的な施策がわからない
- LINE公式アカウントのマーケティング施策に避ける人員が足りない
- データに裏打ちされた施策でLINEマーケティングを効率よく行いたい
ただし、コンサル会社によって発揮する成果が大きく異なるので、事前調査を怠らず、自社と相性の良いコンサル会社選びを行ってください。
まとめ
この記事で解説した12の方法のうち、自社アカウントと相性の良さそうの施策を組み合わせれば、LINE公式アカウントの友だちを効率よく増やすことができます。
ただし、LINE公式アカウントの友だちは増やすことよりも「その後」が肝心です。増やした友だちに対してどういったアプローチをすれば売上アップや満足度向上につながるのか、試行錯誤しながらLINE公式アカウントを運用していきましょう。
当ブログではLINE公式アカウントの運用ノウハウを幅広く紹介しているので、他の記事もぜひ参考にしてみてください。