LINE公式アカウントのステップ配信を解説|シナリオ作りのコツ

  • 2023.10.25

この記事で得られること

LINE公式アカウントのステップ配信の概要がわかる

ステップ配信のやり方が画像解説付きでわかる

ステップ配信で重要なシナリオ作りのやり方がわかる

LINE公式アカウントを活用したマーケティング施策が当たり前になったことで、LINEはCRM(顧客管理ツール)としての役割がますます大きくなっています。 中でも「ステップ配信」は、ユーザーとのコミュニケーションや販売促進のために欠かせない機能の1つです。 この記事ではLINE公式アカウントのステップ配信についてわかりやすく解説し、試作効果を高めるために重要なシナリオ作りのコツについても解説します。 LINE公式アカウントのステップ配信を活用した新規顧客・リピーターの獲得に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

LINE公式アカウントのステップ配信とは?

ステップ配信とは事前に設定したシナリオとそれに対応するメッセージを、任意のタイミングで送信できる機能です。

ステップ配信のイメージイラスト
出典:LINE公式アカウント (LINE Official Account Manager) ステップ配信マニュアル|LINEヤフー for Business

LINE公式アカウントの一斉配信やセグメント配信では、配信対象となる友だちに対してメッセージを一斉に配信します。

一方で、ステップ配信は友だちごとに個別のタイミングでメッセージ配信を自動化できるため、一人ひとりに合わせたマーケティング施策が可能となります。

LINE公式アカウントのステップ配信を活用するメリット

LINE公式アカウントのステップ配信を活用するメリットは主に5つあります。LINEマーケティングを行う上で、それぞれ重要なメリットなので、この機会に覚えておきましょう。

1. あいさつメッセージと連動できる

あいさつメッセージとはユーザーがLINE公式アカウントを友だち追加した際に、自動的に送信されるメッセージです。あいさつメッセージを設定することで、友だちとのコミュニケーションを効率よく行えます。

LINE公式アカウントのステップ配信は、このあいさつメッセージと連動できます。

具体的にはあいさつメッセージが送信された直後に送信されるステップ配信を設定しておくことで、途切れ目のないマーケティング施策を実施可能です。

あいさつメッセージのイメージイラスト
出典:LINE公式アカウントの「友だち追加広告×ステップ配信」で予約数120%を記録した皮膚科クリニック|LINEヤフー for Business

ステップ配信とあいさつメッセージの連動により、商品・サービス・ブランドに対するユーザーの熱が冷めないうちに、次のステップへと誘導できるので、効果的なマーケティング施策を展開できます。

2. LINEはメッセージの到達率・開封率が高い

ステップ配信は、LINEが国民的ツールとして地位を確立する以前からも人気のマーケティング施策でした。しかし、メールで行うステップ配信はメッセージの到達率・開封率が低く、費用対効果を高めるのに苦労する施策でもありました。

LINEというマーケティングプラットフォームが誕生してから、この状況は一変します。LINEのステップ配信のメッセージの到達率は100%、開封率は場合によって50%を超えることもあります。

そのため、LINE公式アカウントを運用している場合、ステップ配信は必ず実施しておきたいマーケティング施策の1つです。

3. 条件分岐で個別にメッセージを送信できる

LINE公式アカウントのステップ配信は、誰でも簡単に条件分岐を設定できます。

設定可能な条件分岐

  • 性別
  • 年齢
  • OS
  • エリア
  • オーディエンス

条件分岐の設定により、特定のセグメントに対して個別にメッセージを送信できます(例:友だちの都道府県別にステップ配信のシナリオを作る)。

これにより個別最適されたマーケティング施策が可能になり、友だちが持つニーズの細部まで汲み上げることが可能です。

4. ユーザーの離脱を防げる

一般的なステップ配信は、LINE公式アカウントが友だち追加された日を0日目として、1日目・3日目・7日目・14日目といった具合に、段階的にメッセージを送信できます。

こうした間隔で、事前に作成したシナリオに従ってメッセージを送信すると、友だちの商品・サービス・ブランドに対するテンションを保てる可能性があります。

つまり、ユーザーの離脱を防ぎ、長期的な関係構築としてのツールとして機能するのです。

5. テンプレートが用意されている

LINE公式アカウントのステップ配信にはテンプレートが用意されています。ステップ配信を行うハードルが大きく下がるので、初めての人でも安心して利用できます。

より効果的なステップ配信を目指す場合は、独自に試行錯誤を繰り返すか、LINE公式アカウントの運用コンサルを依頼してみましょう。

運用コンサルは会社によって当たりハズレがあるので、入念な事前調査を行った上で、依頼する会社を選びましょう。

LINE公式アカウントでステップ配信を設定してみよう

1. ステップ配信をクリック

2. 基本設定を入力する

3. ステップ配信の開始条件を決める

4. 次のステップまでの待ち時間を決める

5. 配信するメッセージを登録する

6. 次のステップを追加する

7. 条件分岐を設定する

ステップ配信に成功したLINE公式アカウント事例3選

ステップ配信を活用したマーケティング施策に成功した、LINE公式アカウント事例を3つご紹介します。自社でステップ配信を活用するイメージを膨らませながら、事例を参考にしてみてください。

株式会社デジタルガレージ

デジタルガレージは韓国発のセルフジェルネイルブランド、「odara(オハーラ)」を運営する企業です。日本市場におけるマーケティング戦略の重要チャネルとして、LINE公式アカウントを運用しています。

その中でステップ配信は、「友だち追加から⚪︎日後にネイルの付け方やオフ方法を伝える」など、シンプルな活用方法を取り入れています。

シンプルな活用方法でも、ステップ配信を実施すれば商品・サービス・ブランドに対するユーザーのテンションを保てるため、とても効果的です。

結果としてLINE公式アカウント経由の売り上げが3倍にアップし、ECサイトへの総客効果も生まれています。

出典:LINE公式アカウントを活用して売り上げアップ!ユーザーへの購入促進方法|LINEヤフー for Business

ギャップジャパン株式会社

国内のファストファッション大手であるギャップジャパンは、コミュニケーションツールとしてCRM(顧客関係管理)部門がLINE公式アカウントを運用しています。

ギャップジャパンではオンラインショップのカートページと購入完了ページにそれぞれLINE Tagを設置し、「カートに商品を入れたユーザー」と「購入が完了したユーザー」のデータを抽出しています。この抽出データを条件として設定し、ステップ配信を行っています。

LINE公式アカウントのステップ配信ではオーディエンスデータを活用すれば、複雑な条件分岐も設定可能です。従来メールで行われていたステップ配信にはない特徴であり、マーケティング施策効果を高める必要があります。

結果としてオンラインショップのカゴ落ちを防止し、ROAS(広告費用対効果)は3,000%を超えました。

出典:ステップ配信×LINE Tagで「カゴ落ち」を防止!ROAS3,000%超えを達成したギャップジャパンの戦略とは|LINEヤフー for Business

CJ FOODS JAPAN

美酢(ミチョ)やbibigoといった韓国発の食品販売を手がけるCJ FOODS JAPANは、LINE公式アカウントの友だち追加時にもらえるクーポンと連動したステップ配信を行っています。

ユーザーが友だち追加をするあいさつメッセージとECサイトで使える割引クーポンが送信され、その3日後にクーポンの使い忘れがないかを確認するメッセージが送信されます。

CJ FOODS JAPANのLINE公式アカウントにおけるメッセージ開封率は、PayPayモールアカウントと比べて2〜3倍と非常に高いため、ステップ配信は重要なマーケティング戦略に位置付けられています。

出典:3ヵ月で友だち約36,000人増加!LINE広告「友だち追加」で友だちを集め、食卓へ”まごころ”を届ける|LINEヤフー for Business

ステップ配信で重要なシナリオ作りのやり方

LINE公式アカウントのステップ配信を活用するにあたって、重要なのが「シナリオ作り」です。シンプルに見えるステップ配信も、入念なシナリオ作りがなければ成果が出ません。ここでは、そのシナリオ作りのやり方をご紹介します。

step1. ステップ配信のゴールを決める

効果の高いステップ配信を実現するには、ゴールが明確でなければいけません。そこでまずは、次の情報を整理しましょう。

  • ターゲットの属性情報
  • ターゲットが解決したい悩みや
  • ターゲットの悩みを解決する方法
  • 商品・サービスで手に入る価値・体験
  • ステップ配信の開封率、クリック率
  • ステップ配信経由のコンバージョン率
  • ステップ配信経由の売上目標

これら必要な情報を整理した上で、具体的なゴールとしては「コンバージョン率・売上目標」を設定しましょう。

ターゲットの属性情報、悩み、解決方法、商品・サービスで手に入る価値・体験は可能な限り情報を整理するのがポイントです。

step2. 逆算してストーリーを考える

ステップ配信のゴールが決まったら、そこから逆算してストーリーを組み立てていきましょう。商品・サービスを購入してもらうには、さらにその後もリピーターとして購入してもらうには、どのような段階(ステップ)が必要かを考えます。

具体的には、「ターゲットが解決したい悩み」と「ターゲットの悩みを解決する方法」にフォーカスして、ストーリーを考えてみてください。

ステップ配信のストーリーの一例

  1. ターゲットの悩みに共感する
  2. 具体的な解決方法を提示する
  3. 商品・サービスで得られる体験を訴求する
  4. 商品・サービスを利用する未来をイメージさせる
  5. 悩みを解消した自分をイメージさせる

スタップ配信をどういったストーリーで運ぶかを事前に考えると、その後のシナリオ作りがスムーズになります。

step3. AIDAMのフレームワークを使う

AIDMAとは、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の頭文字を取ったもので、消費者の標準的な購買プロセスを説明しています。

ステップ配信はこのAIDAMを利用するのが一般的であり、たとえば次のようにメッセージごとに役割を持たせましょう。

  • 1、2通目:インパクトのある言葉や写真で注意を引く
  • 3、4通目:メリットを訴求して関心を持たせる
  • 5、6通目:口コミなどを紹介した欲求を刺激する
  • 7、8通目:情報発信を続け商品・サービスを記憶させる
  • 9、10通目:クーポン配信などで行動を起こさせる

販売したい商品・サービスに応じて送信するメッセージ数を調整した上で、それぞれに役割を持たせると、シナリオ作りがよりシンプルになります。

step4. シナリオを完成させる

step3まで完了すれば、ステップ配信のシナリオを仕上げましょう。あまり作り込まずに、70〜80%ほどの完成度で仕上げるのがポイントです。

100%の完成度を目指しても、ステップ配信においてそれが正解とは限りません。LINE公式アカウントのステップ配信でマーケティング効果を高めるためには、定期的なシナリオ改善と試行錯誤が必要です。

そのため、「完璧」よりも「PDCAを早く回す」ことを意識して、ステップ配信の効果を段階的に高めていきましょう。

まとめ

LINE公式アカウントのステップ配信をうまく活用すれば、友だち追加後もユーザーのテンションを保ち続け、商品・サービスの購入や、ブランドイメージのアップに繋げられます。

ステップ配信を活用した事例も豊富になるので、それらの事例を参考にしながら、自社におけるステップ配信についてぜひ考えてみてください。