Shopify POSで始めるO2Oマーケティング! LINEを活用した事例も紹介

  • 2022.12.22

この記事で得られること

O2Oの意味とメリットが分かる

Shopify POSとLINEを活用したO2Oの方法が分かる

O2O(Online to Offline)は、オンライン(=WebサイトやSNS)からオフライン(=実店舗)へと顧客を誘導するマーケティングのことです。

昨今ではコロナの影響により、ネットで買い物を済ませる人が増えていますが、また一方で、リアルでしか味わえない体験を求めて実店舗に行くという需要も生まれています。上手にネットを活用すれば、自粛で落ち込んだ実店舗の売上を回復させることも充分現実的です。

この記事では、O2Oのメリットをお伝えすると共に、初心者でも気軽に始めやすいShopify POSとLINEを活用したO2Oの事例を紹介していきます。

O2Oとは? なぜ重要なのか?

O2Oは「Online to Offline(オンライン トゥ オフライン)」の頭文字をとったマーケティング用語です。一般的に「オンライン」とはインターネット回線がつながっている状態を指し、「オフライン」はその逆(インターネットに接続していない状態=リアル)を意味します。

O2Oは、WebサイトやSNSなどの「オンライン」から、リアルの実店舗という「オフライン」に顧客を誘導するマーケティングのこと。シンプルに言えば、「インターネットを活用して実店舗の売り上げを増やす施策」を指します。

例えば、以下のような施策がO2Oにあたります。

  • SNSで実店舗のセール情報を発信する。
  • 実店舗で利用できるオンラインクーポンを配布する。
  • オンラインストアや公式サイトに実店舗の情報をのせる。
  • スマートフォンのGPS機能を利用し、近くの見込み客にキャンペーン情報などを伝える。

逆に、実店舗にQRコードを置いて、メルマガやLINEアカウントへの登録を促すなど、オフラインからオンラインに誘導するといったパターンもあります。

O2Oの重要性は、コロナで打撃を受けた実店舗にて特に高まっています。技術の進歩により、打てる施策のバリエーションも豊富になってきました。近年では「OMO(Online Merges with Offline)」という、オンラインとオフラインを融合する考え方が主流となっています。

新型コロナウイルスの影響で、改めてオンライン(インターネット)の便利さに気づかされたという人は多かったことでしょう。このような時代に実店舗の売り上げを増やしていくには、“ネット”と”リアル”をつなぐO2Oマーケティングが不可欠なのです

オンラインストアと実店舗でO2Oを実践する4つのメリット

①新規顧客を獲得できる

O2Oを実践する第一のメリットは、ずばり「新規の集客ができること」です。スマートフォンの普及により、多くの人が買い物の前にインターネットで商品や店舗をチェックしている現代。積極的に情報を発信しているかどうかで、ショップの認知度は大きく変わります。

どんなに良い商品やサービスを提供していたとしても、そもそも人目に触れる機会がなければ売上は立ちません。インターネットという広大な世界を活用すれば、多くの潜在顧客にあなたのショップの存在をアピールできます。

②既存顧客の来店を促進できる

「モバイルマーケティング研究所」が調査したアンケートでは、回答者のうち4割を超える人が、「ネットで受け取ったセール情報やクーポンをきっかけに来店した経験がある」と答えています。

店舗へ行くきっかけは「特売情報」や「クーポン」。MyELがO2O調査|モバイルマーケティング研究所|ModuleApps 2.0

オンラインを通じて顧客に付加価値を提供できれば、何度も実店舗に通ってもらえるリピーターが増えていきます。さらにオンラインストアを開設していれば、実店舗の購買データと連携し、個々の顧客に合わせたメッセージを配信するといった施策も可能になります。「この店はいつも自分の欲しいものを提案してくれる」と思ってもらえれば、ショップのファン化につながるでしょう。

③施策の効果を測定しやすい

O2Oは、打った施策の効果が短期間で出るため、取得したデータを次の施策に活かしやすいという利点もあります。例えばオンラインクーポンであれば、どのくらいの人数に受け取ってもらえて、そのうち何枚が使用されたのか。さらに売り上げにどのくらい貢献したのか、などがすぐに分かります。効果が出た施策はそのまま継続し、イマイチだった施策は改善する、といったように、PDCAをすばやく回せるのです。 

さらにO2Oには、顧客の声を拾いやすくなるというメリットもあります。例えばアンケートは、実店舗ではなかなか記入してもらえませんが、ショップのLINEに登録してもらえれば、「回答者にお得なクーポンを進呈」などの報酬をつけることで、回答率を高めることができます。

④ユーザーの利便性の向上

O2Oはユーザーの利便性向上につながります。オンラインクーポンの配布などは代表的な例ですが、他にも以下のようなメリットが挙げられます。

  • SNSで新商品やセールの情報を受け取れる。
  • オンラインストアや公式サイトで購入前に商品のイメージを把握できる。
  • 購入後にアフターフォローを受けられる。
  • ネット上でいつでも商品に関する問い合わせができる。

店舗側は新規顧客やリピーターを獲得でき、顧客はさまざまなサービスを受けられる。O2Oは、Win-Winを実現するマーケティング手法なのです。

Shopify POSとLINEを組み合わせたO2Oマーケティング

①Shopify POSを活用したO2Oマーケティング

Shopify POSは、公式にShopifyが提供している販売情報管理アプリ(POSシステム)です。Shopify POSはコストパフォーマンスと操作性に優れており、実店舗に加えてオンラインストアを運営している経営者におすすめのアプリです。

Shopifyでオンラインストアを運営していれば、Shopify POSの導入に初期費用や月額料金は発生しません。手持ちの端末(iPadなど)にアプリをインストールするだけで簡単に始めることができます。実店舗とオンラインストアの顧客データが一元管理できるため、業務効率の向上につながります。

さらにShopify POSのLiteプラン(基本プラン:無料)には、データ管理に加え、商品のQRコードやオンラインと実店舗で使用できるクーポンコードを発行する機能があります。商品情報のQRコードを実店舗の商品タグに付けておけば、スマホから商品の説明や在庫の確認が簡単にでき、スタッフの負担軽減につながります。またクーポンコードは、使用頻度が管理画面から簡単に確認できる上、紙製のスタンプカードや割引券のような管理コストもかかりません。

さらに「Shopify POS Pro」という上位プランでは、オンラインで購入した商品を店舗で受け取れる機能や、実店舗で商品を販売した後に購入者宅まで配送する機能などが追加されます。月額89ドル(1ロケーションあたり)のコストはかかりますが、実店舗とオンラインストアの販売をシームレスにつなげられるメリットを考えれば、採用の価値は十分にあります。

②LINEを活用したO2Oマーケティング

LINEはユーザー数は国内で9,000万人を超えます。これほど老若男女を問わず幅広い世代に使われているメッセージアプリは他にありません。多くのユーザーが1日に数回はLINEをチェックします。店舗のLINEアカウントに登録してもらえれば、顧客との接点を日常的に増やし、実店舗への再来店につなげることができます。

実店舗を訪れてから日が経っていても、LINEを通じて定期的にアプローチしていれば、「クーポンやセールがあるならまた行ってみようかな」という気持ちが芽生えやすいでしょう。ネットの普及で競合が増えた時代に、こうした差別化は重要です。

LINEでO2Oを実践するなら、連携アプリの活用もおすすめです。「Lipify(リピファイ)」はCRM(顧客管理)をサポートするアプリで、顧客の属性に合わせてメッセージを送る「セグメント配信」や、シナリオに沿って自動的にメッセージを送る「ステップ配信」機能があります。

最初にメッセージを考えて仕組みを作ってしまえば、顧客管理の大部分を自動化できます。そうして浮いた時間は、実店舗の経営や次の施策を考える時間に充てられます。

O2OマーケティングにLINEを活用した事例

①ローソン

LINEを実店舗のマーケティングに効果的に活用している企業として、コンビニチェーン大手のローソン(LAWSON)があります。ローソンではいち早く公式LINEを開設し、その「友だち」登録者数は2022年現在で4,000万人を超えています。

ローソンの公式LINEに登録すると、月に数回、新商品の情報などを伝えるメッセージが配信されるほか、最寄りの店舗のクーポンを使えるようになります。

またローソンでは、公式キャラクターである「あきこちゃん」や「Ponta」のスタンプを配布するなど、ユーザーに親しみを持ってもらう工夫にも積極的に取り組んでいます。

ローソンの「LINE@」でよく行く店舗と友だちになろう!|ローソン研究所 (lawson.co.jp)

②AKAISHI

「足の悩みを解決する靴」をコンセプトに掲げるシューズショップ「AKAISHI」では、LINEに「友だち」登録をすると購入額が100円オフになるほか、公式通販に初めてLINEログイン(LINEの情報でショップに登録する)を行うと500円オフになるキャンペーンを展開しています。

AKAISHIでは、LINEから新商品やクーポンの情報を配信することで、オンラインストアでの買い物や実店舗への来店につなげています。LINEへの登録率を上げるため、公式サイトではポップアップ広告でLINE登録に誘導する工夫も行っています。

まとめ:小さなことからO2Oを始めてみよう

最初に説明したように、O2Oには多くのメリットが存在します。とは言え、「インターネットやデジタル機器について深い知識が必要じゃないの?」という不安を抱かれる方もいるかもしれません。

しかし、O2Oを行うにあたって高度な専門知識や技術は必要ありません。アプリの開発や大がかりなECサイトを用意せずとも、クーポンの発行やSNSでの宣伝など、できることから始めていけば良いのです。

手軽なO2Oの一例として、本記事で触れたShopify POSとLINEを活用した手法もおすすめです。身構えることなく、小さなことからO2Oに挑戦してみてください。

株式会社カシミラでは「Lipify」や「配送マネージャー」などのShopifyアプリを開発・提供しているほか、ECサイトの構築やSNSやSEOを通じてのマーケティング、集客後のCRMまで一連のサポートを行っています。ECサイトの運営に関してお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。